令和２年度　新入生の皆さんへのメッセージ

最終更新日 [2020年4月7日]  

　校門に至る坂道、通称「宰高坂」の桜も今年は花を散らさずに新入生の皆さんの入学を待ってくれていました。我々太宰府高校職員一同も心を込めた入学式を行おうと準備を整えていました。しかしご存知のように、今年はコロナウィルスの感染防止の観点から入学式を中止することとなりました。大変残念でなりません。本来であれば入学式の式辞の中で伝えたかった校長としての思いを、今年はメッセージという形で新入生の皆さんおよび保護者の皆様にお伝えいたします。
　始めに、入学式は行いませんが、４月７日をもって新入生２４５名の入学を許可いたします。皆さんは太宰府高等学校第３５期生となります。太宰府高等学校の生徒として誇りと責任を胸に有意義な高校生活を送ってもらいたいと願います。
　令和の里、太宰府の地に設立された本校は、今年で創立３５周年を迎える学校です。学校の歴史は浅くとも、郷土・太宰府が持つ歴史と文化の奥深さを随所で学び、感じる学校生活を送ることができるのが他校にない、本校の魅力です。また、本校を守るかのように、宝満山がそびえ立っています。古来より人々の信仰を集める霊峰で、かの最澄や空海などを含め遣唐使として中国に渡る人々も山に登り、旅の安全を祈願したと伝えられています。季節や天候で様々な表情を見せる宝満山を毎日眺めながらの通学は、太宰府高校生でなければ味わえない贅沢な時間になると思います。
　さて、ご存知のように平成３０年に行われた民法改正により、成年年齢が令和４年４月１日から満１８歳に引き下げられます。つまり今年度に入学した３５期生の皆さんは３年生になって誕生日を迎えると法律上成年に達することになります。この法改正について、文部科学省では、「若年者の自己決定権を尊重するものであり、その積極的な社会参加を促し、社会を活力あるものにする意義を有する。」としています。これは高校在学中に成年に達し、保護者の親権に服することなく、「単独で意思決定」を行うことができるようになる一方、未成年者を保護する様々な法規定が適用されなくなることを意味します。皆さんはこの太宰府高校で学び活動する過程で、自主的かつ合理的に社会の一員として行動できる自立した社会人になっておかねばならないということです。本校には「世の役に立つ人間（ひと）たれ」という校是があります。この精神に基づいた教育を行なうことで、この法改正に対応した生徒の育成が行えるものと思っています。新入生の皆さんにはその自覚を持ってこの太宰府高校で勉学・芸術活動・部活動・学校行事等に積極的に励んでもらいたいと願います。
　保護者の皆様にもご挨拶申し上げます。高校時代はお子様の人生の中でも大変重要な３年間となります。健全で有意義な高校生活となるよう、保護者の皆様と連携して指導に当たって参りたいと考えていますので何卒ご協力ください。また、休業期間中は担任等から定期的に連絡を入れ、お子様の健康状態や家庭での状況等を確認させていただきますのでご理解とご協力をお願い申し上げます。
新入生の皆さんが、元気に「宰高坂」を上ってくる「日常」の日々が一日も早く始まることを職員一同、心から楽しみに待っています。

　令和２年４月
　　　　　　　　　　　　　　　　福岡県立太宰府高等学校長　　富田　一大

※　なお、「校長挨拶」につきましては、後日あらためて新しいものをアップロードする予定です。